【3月30日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は29日、東京五輪の延期について、選手を「精神的な動揺」から守ることにつながったと話した。

 元五輪金メダリストのコー会長は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて五輪を2021年に延期した判断を支持した。そして予定通り7月24日の開幕が維持されていれば、世界で死者が3万1000人を超え、各地が封鎖される中で、練習を続けたい誘惑に駆られる板挟みになっていただろうと話した。

 コー会長は英ラジオ局「トークスポーツ(talkSPORT)」で「われわれは、政府の勧告を無視し、場合によっては法律違反を犯さなくてはならない立場に選手を置きたくなかった」と話した。

「それにもちろん、みんな頭のどこかでずっと不安を抱いていた。それは自分の練習プログラムに関するものだけではなく、自分自身や家族、子ども、祖父母や親を感染のリスクにさらすかもしれないという不安だ。そういう選手の精神的な動揺をできる限り早く静めたかった」

「スポーツ選手も他の人と変わりはないし、この状況ではただ、スポーツは二の次にせざるを得ないと判断したということだと思う」 (c)AFP