【3月30日 Xinhua News】中国上海市の税務部門は、新型コロナウイルスの影響を受けて(旧正月、Lunar New Year)明けの操業を停止していた外資系企業の活動が徐々に再開されたことを受け、これらの企業が抱える従業員復職の問題や資金難についてビッグデータを用いた正確な分析を実施。イタリアのクルーズ客船運航会社コスタクルーズや日本のユニクロ(Uniqlo)を含む外資系企業に税制優遇措置を提供するなど、外資系企業の自信回復を後押ししている。

 ファーストリテイリングの中国法人、迅銷中国商貿は、同市徐匯区税務局から早い段階で企業活動再開支援に関する優遇政策の通知を受けた。同社財務担当者の沈纓(Shen Ying)さんは「迅速に打ち出された包括的な政策に『互いに見守り助け合う』という温もりを感じた」と当局の対応を称賛する。

 同社が全国に展開するユニクロはウイルス流行期間中、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)で治療の第一線に立つ医療従事者に252万元(1元=約16円)相当の保温発熱素材を用いた高機能衣料を寄付したが、これらの支援物資は全額所得税控除の対象となった。沈さんによると、同社は従業員3万2千人に対し、人員削減や給与引き下げをしないことを約束しているという。

 新型コロナウイルスの流行は交通運輸業界にも大きな影響を与えた。同業界が操業再開後に振り出した手形の件数と金額を同市虹口区(Hongkou)の税務部門が精査したところ、業界全体では正常化に向かっているものの、チケット代理業の手形データに明らかな停滞があることが分かった。同部門では直ちに関連企業の調査を行い、優遇政策の条件に合致すると思われる企業を選出した。

 最新の政策規定に基づき2020年度に発生した欠損金の繰越期間を最長5年から8年に延長するという上海市虹口区税務部門の通知は、企業に安心感を与えた。

 上海市の税務部門は、積極的な税制優遇措置を講じるだけでなく、データ共有を通じて企業支援資金の前倒し支給を進めている。閔行区の香港企業、台巨紡織(上海)はこのほど、操業再開直後の250万元の特別支援資金を受け取った。

 一連の優遇政策とサービス措置が継続的に実施されるにつれ、上海の外資系企業は生産の活力を徐々に取り戻しつつある。データによると、8日時点で上海の外資系企業の事業再開率は99.9%に達している。(c)Xinhua News/AFPBB News