【4月15日 People’s Daily】上海市は企業が必要とすることに早急に取り組み、「問題リスト」を精査して「解決リスト」を打ち出し、外資系企業の業務再開率を99.9%まで押し上げた。広東省(Guangdong)の工業・情報化当局は製造業の重点企業102社のリストをまとめ、業務再開をめぐる「1対1」のアフターフォローサービスメカニズムを構築した。江西省(Jiangxi)は輸出入の「詰まり」をスムーズにし、同省と欧州を結ぶ国際定期貨物列車「江西・欧州班列」の運行を再開し、南昌市(Nanchang)とベルギー・リエージュ(Lidje)を往復する貨物輸送機の運航も再開した──新型コロナウイルスによる肺炎の対策状況が好転し続けるのにともない、各地域は複数の措置を同時に打ち出して、産業チェーン全体の活動再開が加速するよう秩序をもって後押ししている。こうしたことは企業が今抱える問題を解決するために、またグローバル産業チェーンとグローバル供給チェーンの安定安全を維持するために、力強い支援を提供したといえる。

 新型肺炎が発生すると、国際社会は中国の産業チェーン・供給チェーンの圧力への抵抗力と柔軟性を軒並み高く評価したが、「感染症が世界で拡大まん延しており、中国の産業チェーン・供給チェーンに打撃を与えるのではないか」と懸念する声もある。それではこの問題にどのように理性的に対処したらよいだろうか。

 短期的にみれば、感染症が中国経済に与える影響は避けられず、一部の業界・企業もある程度打撃を受ける。特に、グローバル供給チェーンが深く融合し、互いにとってなくてはならない存在となる中、中国以外の感染症の対策状況が、逆に中国にも影響を与えることになる。外資系企業の一部が受注や契約履行が困難になり、国際物流システムが滞り、貿易障壁が増大するなどの問題に直面する可能性もある。

 一方で、中国には世界で最も規模が大きく、最も種類がそろい、最も設備が整った製造業システムがあり、グローバル産業チェーン・供給チェーンで重要な地位を占める。感染症が発生すると、格力電器、美的集団などの家電メーカーが相次いでマスク生産ラインを立ち上げ、上汽通用五菱(SGMW)はわずか76時間で独自に全自動化されたマスク製造機を造り上げ、中国石化(Sinopec、シノペック)は12日間でマスク製造原料のメルトブロー不織布を製造する工場を建設した──業界の枠を超えた戦「疫」の1つ1つの事例が映し出すのは、中国の整った製造業システムと川上から川下に至る設備能力だ。生産性やインフラなどの要因がますます重要になるグローバルバリューチェーンシステムの中で、中国は他国では代替不可能な優位性を備えている。よって、短期的な感染状況は中国のグローバル生産チェーン・供給チェーンにおける地位を揺るがすことはできないし、揺るがすこともないと言える。

 また一方で、中国の感染状況は好転を続け、生産や生活が秩序よく急速に回復しており、これには外資系企業を含む重点業界や企業のリーディングカンパニーの相次ぐ業務再開も含まれる。このことは中国の産業チェーン・供給チェーンが非常に強い柔軟性を備えることを示すとともに、グローバル供給チェーンの安全を守っていることも示す。それだけではない。中国は一連の政策措置を取って感染症の影響を軽減し、これからも方向性を絞った措置を打ち出していく。だからこそ、産業チェーン・供給チェーンには感染症の影響による中国から外部への大規模な移転現象はみられず、逆に世界の産業に対する中国の誘致力がさらに強まったといえる。

 より長期的な視野で考えるとわかることは、中国は世界の供給チェーンの重要な一部であるというだけでなく、全体に影響を及ぼす重要な「世界の市場」でもあるということだ。企業支援の短期的な措置だけでなく、最適化されたビジネス環境が備わった長期メカニズムも打ち出す。非常に規模の大きな市場があり、非常に急速に発展する新産業があり、最適化を続けるビジネス環境があり、中国のグローバル産業チェーン・供給チェーンにおける総合的な優位性は弱まるどころか、逆に強まっていくとみられる。

 事実こそが最良の回答だ。中国がグローバル供給チェーンの安定において果たす責任と役割が、長期的な視野をもつ国際的企業にますます評価されており、例えばデンマークのレゴは今年も中国で直営店80店をオープンする計画で、米国のテスラも業務再開後に上海ギガファクトリーの生産能力を拡大するという──中国が対外開放を拡大する中で打ち出した業務再開を後押しする措置は、グローバル供給チェーンの安定維持のために中国の力で寄与するものであり、国際的企業が発展のボーナスを共有できるよう中国でのチャンスを提供するものでもある。(c)People's Daily/AFPBB News