【4月7日 CNS】中国・四川省(Sichuan)都江堰市(Dujiangyan)と四姑娘山(Siguniang Mountain)をつなぐ登山鉄道プロジェクト(都四鉄道)の建設開始式典が3月26日に行われた。これは中国初のラック式(歯軌条)鉄道となる。

 都四鉄道は都江堰市を起点とし、アバ・チベット族チャン族自治州(Ngawa Tibetan and Qiang Autonomous Prefecture)の汶川県(Wenchuan)を経て、耿達(Gengda)、臥竜(Wolong)、映雪(Yingxue)などをつなぎ四姑娘山鎮に至る全長123.18キロの旅客輸送を主とし小型貨物の輸送も行う。

「中鉄二院工程集団(China Railway Eryuan Engineering Group)」により設計され、海外の「狭軌+歯軌条」技術による運行経験を参照し、中国の鉄道技術と結合させ、山岳鉄道の特徴を踏まえ、レールは複線のメーターゲージ(狭軌)を採用、同時に新たに歯軌条に合った車両を開発した。勾配の急な地区では、車輪+レールと歯車+歯軌条の2種類を組み合せてけん引力を高めている。

 都四鉄道が通るルートには多くの観光名所が集中しているため、生態環境の保護の観点から、設計者は橋梁(きょうりょう)とトンネルを多く採用、全区間で橋とトンネルの占める比率は98.34%に上る。橋梁の建設は、架橋機械による橋梁敷設方式を参考とし、施工中の土地の占有を減らすことで、環境破壊を減らすよう配慮している。トンネルの工事については非爆破工法を採用することで、工事期間中の騒音や振動を抑制するとしている。

 自然との調和を実現するため、設計者は走行ルートを地形の起伏に合わせ、列車が景観の中に溶け込み一体となるように配慮をしたという。また、この鉄道が開通後、四川省の西北部山岳地帯と成都平原が結ばれ、沿線の観光業と関連サービス業の発展を大きく促進し、雇用拡大や住民の所得増加が期待されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News