【3月29日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の発火点となった中国・武漢では28日、2か月超続いたほぼ全面的な封鎖が部分的に解かれ、武漢駅は同市へ戻ってきた人々で混雑した。

 武漢は今年1月に封鎖下に置かれ、住民の外出が禁止された他、市の郊外では往来を制限するために路上で検問が行われ、日常生活においても徹底的な規制が課された。

 だが、長期間にわたった隔離は終了する兆しが見えており、国営メディアは28日午前0時を過ぎて間もなく、公式な許可を得た乗客らが初めて列車で市内に到着する様子を伝えた。

 ただ、人々が市内に入境することは認められるものの出境はできず、さらに列車の多くは、数日前に予約で満席となっていた。

 AFPの記者は28日、武漢駅に到着した人々でごった返し、多くの乗客らがキャリーケースを引く様子を目にした。

 ただ移動禁止の強制が緩和され始めていたため、名目上は降車が禁じられていたものの、前日以前から武漢駅に停車する鉄道に乗って市内にこっそり戻る人々は一部存在していた。

 27日に到着したある女性はAFPに対し、自身の娘、夫と10週間近く離れ離れになっていたと説明。

「列車が武漢に近づくと、子どもも私もとても興奮した」「鉄道は以前よりも速く動いているように感じた。娘は私たちが本当に早く家に帰りたいことを運転士が分かっているに違いないと話していた」と語った。

 さらに、「娘が父親の元に走り寄るのを後ろから目にして、泣かずにはいられなかった」と話した。

 海外で感染者数が増加する中、中国は現在、海外から感染者が入国するのを抑制しようと奮闘している。

 武漢駅から外へ出るため、乗客らは列をつくる一方、防護服を着用した作業員は、海外から戻ってきた人々に申告を呼びかけた。

 武漢に到着した人々は、健康状態が良好であることを示すため、携帯電話のアプリで「緑色」のコードを示す必要がある。

 また武漢以外の中国各地でも、同市へ向かう高速列車に乗車するため、駅で長い列をつくる旅行客の姿が見られた。

 映像後半は、上海駅で武漢行きの列車を待つ人々、およびその車内。(c)AFP/Jing Xuan TENG