パナマ政府、感染確認のクルーズ船に運河通航を許可
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【3月29日 AFP】南米パナマ政府は28日、船内で乗客4人が死亡したクルーズ船に対し、パナマ運河(Panama Canal)の通過を許可した。パナマ当局は前日、新型コロナウイルスへの懸念からクルーズ船の通航を拒否していた。
乗客乗員1800人超を乗せたクルーズ船「ザーンダム(Zaandam)」では130人以上がインフルエンザのような症状を訴えており、同船は南米にある複数の港で寄港を拒否され、今月14日から洋上に停泊していた。
さらに、オランダのクルーズ船運航会社ホーランド・アメリカ・ライン(Holland America Line)は27日、同船内で乗客4人が死亡し、別の2人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性だったと発表した。
パナマ政府は、クルーズ船の通航を許可した理由について「人道的支援を提供するため」だとし、「乗客も乗員もパナマ領土に上陸することは一切ない」と強調した。
クルーズ船の目的地は米フロリダ州フォートローダーデール(Fort Lauderdale)だが、同地まではパナマ運河を通過する必要がある。
パナマ海事庁は28日、健康な乗客を別のクルーズ船「ロッテルダム(Rotterdam)」に移送していると説明した。
ノリエル・アラウス(Noriel Arauz)海事庁長官はAFPに対し、検査で陰性だった乗客401人がザーンダムからの下船を許可されると説明。症状のある人や、症状のある人と接触した乗客は移送されないと述べた。
またアラウス長官は、ザーンダムに食料や医薬品、検査キット、医療スタッフを送り届けたロッテルダムが、出発地の米サンディエゴ(San Diego)に戻る予定であると述べた。(c)AFP