【3月27日 AFP】英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)は26日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による死者数は、感染拡大を抑止するための迅速かつ厳格な措置を取ったとしても、今年世界で180万人に達する可能性があるとの研究結果を発表した。

 研究では、各国政府が検査や検疫、対人距離の確保(ソーシャル・ディスタンシング)といった厳格な公衆衛生対策を迅速に導入すれば、数千万人の命を救うことができるとしている。

 各国当局から収集したデータと世界保健機関(WHO)からの情報に基づいたAFPの集計では、世界の新型コロナウイルスによる感染者は50万人を超え、死者は2万2000人を超えた。

 インペリアル・カレッジのモデリングシミュレーションは、ウイルスの感染力と推定死亡率に関する現在のデータと、人口統計学的および社会的な要因に基づいている。英政府は研究チームが先に発表した結果を受け、ウイルスの抑制策を強化した。

 今回の研究によると、介入が一切されなければ、新型コロナウイルスは今年、地球上のほぼすべての人に感染し、4000万人が死亡する可能性があるという。

 研究ではまた、自発的な対人距離の確保から、感染拡大が深刻な国の一部で実施されている封鎖措置まで、さまざまなレベルの対策について、202か国における潜在的な健康への影響を予測。早期に厳格な封じ込め措置が実施された場合、1週間の死亡率は人口10万人当たり0.2で、今年の死者は186万人、感染者は約4億7000万人と推計している。

 一方、同様の措置を遅れて実施した場合、1週間の死亡率は人口10万人当たり1.6となり、今年の死者は1045万人、感染者は24億人に激増するという。(c)AFP