【3月27日 AFP】20か国・地域(G20)首脳は26日、首脳テレビ会議を行い、新型コロナウイルスとの闘いに「共同戦線」を張って臨むとの共同声明を発表した。深刻な景気後退の見通しが出る中、パンデミック(世界的な大流行)への対処に世界経済に5兆ドル(約550兆円)を投入すると表明した。

 緊急の首脳テレビ会議は議長国サウジアラビアの呼び掛けで行われ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も参加した。ロシアとの間で起こっている原油価格戦争を終わらせるよう圧力にさらされているサウジアラビアのサルマン国王(King Salman)は各国に連携した行動を求めた。両国の原油価格戦争でエネルギー市場に混乱が生じている。

 中国外務省によると、5兆ドルはG20各国が採択した景気刺激策の合計額。中国の拠出額は3440億ドル(約38兆円)に上るという。

 資本市場を活用できない、あるいは適した医療設備のない貧困国への懸念が高まる中、G20首脳らは国際通貨基金(IMF)などの機関と連携し、発展途上国の支援に向けた「強力な」金融支援を行うと言明した。

 プーチン氏はパンデミックの間の経済制裁「停止」を要請。G20指導者らに「生きるか死ぬか」の問題だと訴えた。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、同会議に参加した習近平(Xi Jinping)国家主席はG20各国に対し、「関税を引き下げ障壁を撤廃し、貿易の自由な流れを促進するよう要請」した。(c)AFP/Anuj Chopra