【3月26日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は25日、新型コロナウイルスへの対応で疲弊している公共サービスを支援するため、軍を動員する方針を発表した。同国ではこれまでに1300人以上が新型ウイルスに感染して亡くなっている。

 他国と同様にフランスでも、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を封じ込めるため、すでに全国規模で不要不急の外出が禁止されており、学校や飲食店は閉鎖されている。

 マクロン大統領は、「レジリエンス(回復力)」と名付けたこの軍事作戦は、「国民を援助するとともに、仏本土と海外領土でこの流行に立ち向かう公共サービスを支援する」ことに重点を置くと話した。

 この発表に先立ちマクロン大統領は、新型ウイルスの大打撃を受けている東部ミュルーズ(Mulhouse)に軍が設置した野営病院を訪問。

 マスクを着けたマクロン大統領は、新型ウイルスとの闘いに「国全体が動員されている」とコメントし、医療機関への追加資金を約束した。

 関係者が25日に明かしたところによると、ロックダウン(都市封鎖)措置の拡大に伴い、首都パリとその郊外では地下鉄と路面電車の運行本数が最小限に削減され、空港2か所も閉鎖される予定だという。

 鉄道事業者によると、流行が続いている間は医療従事者と出勤せざるを得ない人を運ぶのに十分な本数だけの運行を続けることを目指しているという。

 警察は不必要に移動する人がいないか駅で監視しており、特に大都市での監禁状態から逃れようとする人々に目を光らせている。

 パリの空港2か所を運営するADPは25日、旅行制限により利用客数が「大幅かつ急激に」減少したとして、主要ハブ空港であるオルリ(Orly)空港での旅客便の発着を一時停止する方針を発表した。

 ADPによると、「昨日のオルリ空港の利用客は92%減で、シャルル・ドゴール(Charles de Gaulle)空港では89%減だった」という。(c)AFP