【3月26日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせるために実施されている封じ込め措置について、無秩序と略奪につながる恐れがあると述べ、民主主義が危険にさらされていると警鐘を鳴らした。

 極右のボルソナロ氏は、サンパウロ(Sao Paulo)州やリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州が取った企業や学校の閉鎖といった新型コロナ対策について、中南米最大の経済大国であるブラジルの経済を破綻の危険にさらすものだと繰り返し非難してきた。

 ボルソナロ氏は、首都ブラジリアにある大統領府の前で報道陣に対し、「企業は何も生産していない。従業員に賃金を支払うこともできない。そして経済が破綻すれば、公務員に給与を支払うこともできなくなる。われわれは無秩序に直面する」と語った。

 さらに、「スーパーマーケットの略奪といった事態に陥る恐れがある。そこにはウイルスも残っているだろう。ウイルスに加えて無秩序にも直面することになる」「われわれは何をすべきか? 人々を職場に戻し、高齢者や健康上の問題がある人々を守る。それだけだ」と述べた。

 ボルソナロ氏は、「これによってみなさんが堅く守っている『民主主義の規範』が揺らげばどうなるか?」「私がそうはさせない。心配無用だ」とも述べた。

 ボルソナロ氏は、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に対する自身の取り組み方を、称賛するドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のものになぞらえ、「われわれは同様の方針に従っている」と述べた。(c)AFP