【3月25日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・クリッパーズ(Los Angeles Clippers)のオーナーを務めるスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏が24日、地域の象徴的な施設であるフォーラム(The Forum)の購入で所有企業と合意に至ったと発表した。これにより、クリッパーズの本拠地移転に向けた障害はなくなった。

 バルマー氏は、クリッパーズのデニス・ウォン(Dennis Wong)副会長とともに合弁企業を立ち上げ、その企業の名義で現在の保有会社であるマディソン・スクエア・ガーデン・カンパニー(Madison Square Garden Company)から4億ドル(約445億円)でフォーラムを買い上げる契約をまとめた。

 ロサンゼルスのイングルウッド(Inglewood)にあるフォーラムは、NBAではもともとロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)が使っていた場所で、レイカーズがステープルズ・センター(Staples Center)に本拠地を移した後は、改装されて主にコンサートなどに使われていた。

 バルマー氏によれば、コンサート目的での利用は今後も続け、現在の従業員は全員、新オーナーから継続雇用を打診されるという。

 バルマー氏は以前から、フォーラムの近くにクリッパーズの新本拠地を建設する計画を立てていたが、マディソン・スクエア・ガーデン・カンパニーはフォーラムと競合する施設が近くに建つことに反発し、同社がイングルウッドと結んでいる事業契約に違反すると訴えていた。しかし今回の買収で、この問題も解決する。

 クリッパーズは現在、レイカーズとアイスホッケーリーグ(NHL)のロサンゼルス・キングス(Los Angeles Kings)と共同でロサンゼルスのダウンタウンにあるステープルズ・センターを使っている。

 新本拠地は、民間の資金のみで建設される「ファンのことを考えた」1万8000人収容の新スタジアムと、チーム本社、コミュニティーセンターから成る予定で、建設に向けては地元当局の承認が必要となる。(c)AFP