【3月25日 CNS】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国・武漢市(Wuhan)内のバス、地下鉄、フェリー、長距離バスが営業を停止してからすでに2か月が経過した。防御・抑制状況が徐々に好転するに伴い、武漢の都市機能と市民生活も回復しつつある。市内の交通機関も運行再開に向けて準備中だ。

 地下鉄漢口駅構内では23日午前、清掃作業員が防護服とゴーグルを着け、噴霧器で駅のホール、プラットホーム、トイレを消毒していた。鉄道の漢口駅から地下鉄駅への入り口には、全自動赤外線画像感知温度測定警報システムが設置されている。

 ホールには数十台の切符自動販売機があるが、乗客の安全のため、間隔を空けて稼働させている。床面には150センチ程度の間隔で黄色の表示があり、一定の距離を保つよう注意喚起されている。

 地下鉄2号線漢口駅区域の責任者江曼(Jiang Man)さんは「運行停止期間も、駅構内は14日間に1回の定期消毒を行っていました。今では環境管理の専門員が構内のエアコン、ダクトなど通風系統を全面消毒し、駅構内の空気の質を保っています。自動改札、ホームドア、エスカレーターなどの設備は入念にメンテナンスを行い、安定稼働のトライアルも終わっています」と話す。

「毎日空っぽの駅を見るのはつらくて、早く感染が終息して、たくさんの人が行き交うにぎやかな駅に戻ってほしい。今は出入り口が閉まっていますが、職員たちは一日も駅の管理を休んだことはありません」。江さんは自身の気持ちをこう語った。

 地下鉄2号線の常青車両センターでは、37台の列車が車両検査庫に並べられていた。車内では清掃作業員が電動噴霧器で消毒液を車両の床板、取っ手、ドアなどに吹きかけていた。消毒後30分間はドアや窓を閉めて、消毒の効果を確実にするという。

 23日午前、武漢の地下鉄は多くの路線で車両の運行が始まった。

 バス路線の一部の区間では、本格運行前の試験運転も行われている。これに先立って、全ての車両は全面的な消毒が完了している。

 目を引くのは、駅の入り口にも列車の車内にも、また車体にも「武漢市実名登録乗車システム」のQRコードがあることだ。武漢市交通局では、全ての公共交通が運行再開時に乗客に電子健康カード番号による実名登録を義務付け、公共交通の乗客のデータが追跡できるようにして、市民の外出の安全を保障することにしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News