【3月24日 AFP】毎日午前11時になると、仏パリ・オペラ座バレエ団(Paris Opera Ballet)のトップダンサーであるユーゴ・マルシャン(Hugo Marchand)氏は、インストラクターのフロランス・クレール(Florence Clerc)氏の指導の下、他の団員7人とともにバーレッスンを受ける。レッスン場所は、快適な自宅の中だ。

 ストリーミング配信されるレッスンを利用したり、ストレッチの方法をインスタグラム(Instagram)に投稿したりしながら、マルシャン氏のような世界を代表するバレエ団のダンサーらは、自宅から出られない状況にあっても、体のコンディションを最良の状態にキープしておくために鍛錬を欠かすことがない。

「ソファや棚につかまって、インストラクターの指示通りに練習する。他の団員の練習の様子も分かるし、おしゃべりや冗談も言い合える。何も問題ない」と話すマルシャン氏。しかし、こうしたレッスンには限界もある。「床がタイルや板張りの小さな部屋では、ジャンプやつま先立ちができない」と述べ、けがのリスクもとても大きいと説明した。

 また、若いころから厳しい規律に触れ、公演日でさえも長時間のレッスンに臨んできたダンサーらにとって、一人で自宅待機することは「とても困難なこと」だとし、「ハイレベルなアスリートのように、私たちの商売道具は、自分の体そのものだ。私たちにとって、トレーニングは食べることや眠ることと同じくらい必要だ」と続けた。

 映像前半はマルシャン氏の自宅での練習の様子、20日撮影。後半は、練習内容の一部を自身のフェイスブック(Facebook)に投稿した同バレエ団の元ダンサーでインストラクターのアルノー・ドレフュス(Arnaud Dreyfus)氏、19日撮影。(c)AFP/Rana MOUSSAOUI