【3月24日 AFP】米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は23日、アフガニスタンを電撃訪問し、アシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領および対立するアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)氏と面会した後、アフガニスタン向けの支援金10億ドル(約1100億円)を直ちに削減すると発表した。ポンペオはさらに帰途、カタールの首都ドーハにも立ち寄り、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)の幹部らと会談した。

 ポンペオ氏はアフガニスタンの首都カブールでガニ大統領、アブドラ氏とそれぞれ面会。仲裁に失敗すると、両者が隔たりを克服できていないことに失望を表明した。

 ポンペオ氏は声明で「2人の失敗は米国とアフガニスタンの関係を損なっているだけでなく、不幸にも、この国の新たな未来を築くための闘いに命や財産をささげてきたアフガン人や米国人、連合軍のパートナーたちを侮辱している」と批判。米国はアフガニスタン向けの支援金10億ドルを直ちに削減すると発表した。さらに2021年にも10億ドルの支援金を削減する用意があることや、今後の支援国会議で支援自体の取り消しも検討する可能性を示唆した。

 またポンペオ氏は、アフガニスタンの駐留米軍1万3000人全員を2021年までに撤退させることを目標に、撤退作業を進めていくと断言した。

 関係者によるとポンペオ氏はその後、米軍が駐留するカタールのアルウデイド空軍基地(Al-Udeid Air Base)を訪れ、タリバンの幹部3人と1時間程度、面会した。3人の中にはタリバン創設者の一人で政治部門トップのムラー・バラダル(Mullah Baradar)師も含まれていたという。ポンペオ氏はこれまでタリバン幹部と会談した米国当局者の中で最高位。

 ポンペオ氏によると、タリバンは米軍を攻撃しないという約束を順守しており、米国もこの誓約を引き続き守るという。同氏は移動する専用機の機内で報道陣に対し「タリバンは暴力削減の約束をおおむね果たしている」とコメント。「(タリバンによる)暴力のレベルが一定以下にとどまっている限りは」米軍のアフガン撤退を進めていくと語った。(c)AFP/Gregory Walton with Shaun Tandon in Washington