【3月24日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によってスペイン1部リーグが中断を強いられる中、同リーグの選手によるサッカーゲーム「FIFA」の大会が前週に行われ、レアル・マドリード(Real Madrid)代表のマルコ・アセンシオ(Marco Asensio)が優勝を飾った。

 前十字靱帯(じんたい)を断裂し、昨年7月から戦線離脱しているアセンシオはコントローラーを自在に操り、22日に行われた決勝でCDレガネス(CD Leganes)代表のアイトール・ルイバル(Aitor Ruibal)を4-2で下すと、レアルにタイトルをもたらした。

 この大会では、国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)と新型コロナウイルス対策への支援金が18万ユーロ(約2100万円)集まり、ゲーム専用ライブストリーミング配信プラットフォーム「ツイッチ(Twitch)」で配信された決勝の視聴者数は約17万人に上った。

 新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐため、同国のプロサッカー大会は今後の発表があるまで延期となっており、クラブや選手はより創造的になる必要がある。

 スポーツ紙マルカ(Marca)がこのゲーム大会に関する記事を25本以上配信すると、スペインを代表する3人のコメンテーターも生解説するなど、同国メディアもこの試みを素早く嗅ぎつけうまく利用した。

 しかし、FCバルセロナ(FC Barcelona)とマジョルカ(RCD Mallorca)がFIFAの競合商品であるプロ・エボリューション・サッカー(Pro Evolution Soccer、ウイニングイレブン)を制作するコナミデジタルエンタテインメント(Konami Digital Entertainment)とスポンサー契約を結んでいることから、両クラブに所属するセルジ・ロベルト(Sergi Roberto Carnicer)とアレハンドロ・ポソ(Alejandro Pozo)が辞退を強いられたことも議論を呼んだ。

 参加したチームがそれぞれ代表となる選手を1人選ぶ中、レアル・ベティス(Real Betis)のボルハ・イグレシアス(Borja Iglesias)は、まるで満員のスタジアムで開催される実際の試合の準備をするかのようにリビングに入場するなど、最も熱心に打ち込んだ1人だった。

 ダニエル・カルバハル(Daniel Carvajal)とティボー・クルトワ(Thibaut Courtois)に勝利してレアルの代表になったアセンシオは、自身がチームのユニホームを着て喜んでいる映像を投稿した。

 アセンシオは「素晴らしい大会だった」と記した。

「すべての人にとって困難なこうしたときに良い時間を送って笑い、自分たちで楽しむこと、そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に寄付することが目的」

「僕らは成功した。(大会開催を呼び掛けた)イバイ・ジャノス(Ibai Llanos)、そしてこの大会を可能にした皆さん、おめでとう」 (c)AFP/Thomas ALLNUTT