【3月24日 AFP】僧侶が「苦しみの終わり」の願いを込め、オレンジ色のマスクに祈りの言葉を書き込む。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行する中、タイのある寺院では、ペットボトルを再生利用し、マスクを製造している。

 国境が封鎖され、公共施設や店舗が閉鎖された同国で、僧侶らは感染症の封じ込めに信仰を傾けている。

 マスクを製造するのは、環境に配慮した活動で知られるチャークデーン(Chak Daeng)寺院。院長のプラノーン・タンマーランカーロー(Pranom Dhammalangkaro)さんが主導し、毎月受け取る15トンのペットボトルを再生利用し、けさを仕立てている。

 院長は先月、人々を守るため、生産の一部をマスクの製造に転換した。僧侶がボランティアと一緒に作るけさの生地は、プラスチックから抽出した合成繊維と綿を織ったものだが、マスクの内側には別のフィルター層が縫い付けられているという。マスクを着けると、飛沫(ひまつ)のリスクから身を守ることができると、院長はAFPの取材に説明した。

 さらなる安心のため、「問題を知ることは、苦しみの終わらせ方を見つけること」という祈りの言葉を、僧侶がマスクに書き添えることもできる。

 タイは、東南アジアで感染者数が最も多い国の一つ。先週末には、感染者は721人に倍増。新型コロナウイルスによる世界の死者は、1万5000人を超えている。(c)AFP/Pitcha DANGPRASITH/ Lillian SUWANRUMPHA