国連総長「全世界で即時停戦を」 新型コロナ、シリアなどに拡大
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【3月24日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は23日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)から紛争地域の脆弱(ぜいじゃく)な市民を守るため、「全世界での即時停戦」を呼び掛けた。
グテレス氏は米ニューヨークの国連本部で行った短い演説で、「ウイルスの猛威は、戦争の愚かさを浮き彫りにしている」と表明。「よって私はきょう、全世界、すべての地域での即時停戦を呼び掛ける」と述べたが、具体的な国名には言及しなかった。
新型コロナウイルスの流行では、10年にわたり続く内戦で疲弊しているシリアで初の感染者が確認された他、コンゴ民主共和国とアフガニスタンでも感染者が出ている。専門家や外交官らは、紛争下にある国の多くは極めて貧しく、医療体制も整っていないため、ウイルスにより大きな被害を受けるとみている。
グテレス氏は「武力衝突を停止し、私たちの一生に一度となる真の闘いに共に注力する時が来た」と言明。「銃を沈黙させ、大砲を止め、空爆を中止する」ことが人命を救う支援を提供するために不可欠だと訴えた。
グテレス氏は先週、新型コロナウイルスの流行により「数百万人」の命が危険にさらされているとし、世界的な対応を呼び掛けていた。国連は25日、国際的なコロナウイルス対策のための基金創設など、人道支援に向けた世界的計画の詳細を発表する予定。(c)AFP/Philippe RATER