新型コロナ、世界的流行「加速」とWHO 感染者35万人に
このニュースをシェア
【3月24日 AFP】(更新)世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は23日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は明らかに「加速している」と警告した上で、今からでも大流行の「軌道を変える」ことは可能だと述べた。
各国当局の発表に基づきAFPがまとめた統計によると、世界の感染者数は35万142人に達し、うち1万5873人が死亡した。
テドロス氏によると、昨年12月末に中国で流行が始まってから世界の感染者が10万人となるまでにかかった日数は67日だったが、10万人から20万人となるまでには11日、20万人から30万人となるまでには4日しかかからなかった。
多くの国では入院の必要な重症患者のみを検査しているため、実際の感染者数はさらに多いとみられている。
テロドス氏は、外出禁止などを通じて人々と物理的な距離を取る措置はウイルスの拡大を抑え時間を稼ぐためには重要だが、「これらは防衛策であり、われわれはこれで勝つことはできない」と警告。
「(ウイルスに)勝つためには、積極的かつ焦点を絞った戦略でウイルスを攻撃する必要がある」と述べ、感染疑いのある患者は全員検査し、感染の確認された患者は全員を隔離・治療し、感染者との濃厚接触者は全員を追跡・隔離することを改めて呼び掛けた。
一方、テドロス氏は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンと治療薬の研究開発に多大な努力が費やされていることを称賛したが、「現在、COVID-19に対し効果を発揮すると証明された治療薬はない」とし、効果が証明されていない薬の使用に対し注意を呼び掛けた。(c)AFP