【3月25日 CNS】中国の18の省・市・自治区の50か所の献血所で、新型コロナウイルス感染による肺炎から治癒・退院した人から採取された血漿(けっしょう)が、21日午後2時の時点で1000人分(35万2000ミリリットル)に達した。そのうち、湖北省(Hubei)は850人分、武漢(Wuhan)市は約400人分だった。中国・国務院の広報プラットフォーム「国資小新」が報じた。

 国有の医薬品企業「中国生物技術」は、最も早く治癒した人の血漿を治療に用いることを提案。同社武漢生物制品研究所の段凱(Duan Kai)所長によると、患者に治癒した人の血漿を投与すると、48時間以内に多くは核酸検査で陰性に転じ、胸部X線画像(CT)では陰影が「部分的な吸収」へと改善が見られる。主な炎症反応の指標も大幅に下がり、リンパ球比率と酸素飽和度が同時に上昇する。

 この種の治療法の有効性は顕著で、強い免疫反応が出たこともなく、安全性は高いという。

 同社の楊暁明(Yang Xiaoming)董事長は血漿療法の基本的な原理について説明した際に、臨床と病理の過程からみて、大部分の新型コロナウイルス肺炎患者は、治癒後、体の中にウイルスに対する特異性抗体が生まれ、ウイルスを排除することができると述べた。現在、ワクチンと有効な治療薬のない段階では、この種の血漿製品を使って治療することは効果的な方法だ。国家衛生健康委員会が定めた診療案第五版には、治癒した人の回復期の血漿を治療に用いる方法が記載されている。

 現在、治癒した人の血漿を採集することが、血漿を普及させる上でネックとなっている。国資小新は2月18日、「中国生物技術」や「中国医師協会健康伝播工作委員会」などと共同で、治癒した人に対して「愛の血漿成分献血」の呼びかけを行った。

 国家衛生健康委員会と中国赤十字会、中央軍事委の衛生部門などは4日、連名で、満18歳から55歳の治癒した人に血漿の成分献血を行うよう呼びかけている。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News