【3月23日 CNS】中国・武漢市(Wuhan)の火神山医院で最初の「治癒者の血漿(けっしょう)を用いて治療した重篤な新型コロナウイルス感染症患者」の女性(74)が20日午後、無事退院した。

 同医院の陸輝(Lu Hui)主任は「この初の事例は、医療従事者の病と闘う信念を確固たるものにし、患者が病気に打ち勝つ自信を鼓舞することになった」と語った。

 同医院の感染症七科第一病区の謝華(Xie Hua)副主任の話では、女性は2月26日に核酸検査で陽性となり入院。高齢な上、高血圧や心臓病など多くの基礎疾患があり、肺には病変が大きく広がり、持続陽圧呼吸療法(CPAP)が必要な非常に重篤な病状だったという。

 治療では、呼吸器重症疾患、心臓血管外科などの専門家を中心としたチームを結成し、高流量酸素吸入を行った。しかし、ウイルス抑制と症状改善に目立った効果がなかったため、治癒者から採取した血漿を使う治療法を用いての救命を決断した。

 女性の家族の同意を得た後、3月1日に新型ウイルス肺炎の治癒者の血漿200ミリリットルを女性に投入。その後、病状に合わせた総合治療と副次治療を一定期間行った結果、病状が徐々に緩和された。肺の画像でも明らかに改善が見られ、3回の核酸検査も全て陰性となり、無事退院となった。(c)CNS/JCM/AFPBB News