【3月24日 CNS】世界睡眠学会(World Sleep Society)事務局長で中国睡眠研究会元理事長の韓芳(Han Fang)教授は14日、「3月21日世界睡眠デー・中国」の発表会で「中国では1億5000万人が何らかの睡眠障害を抱えている」と発表した。

 今年のテーマは「良好睡眠 健康中国」。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、発表会はオンラインで開催された。

 韓芳教授は「体の健康と寿命の長さは、睡眠の質と密接な関係がある」と説明。国際的な定義で睡眠障害は「眠りにつけない」「ぐっすり眠れない」「起きられない」の3分類があり、90種類以上の睡眠病が含まれている。中国では、国民の1割以上の約1億5000万人が睡眠障害で医療的措置を受ける必要があり、国民の半分以上が一生のうちに何らかの睡眠障害を抱えているという。特に中学生と小学生は学業上の負担が非常に大きく、睡眠不足が深刻。体と精神それぞれの成長に深刻な影響を与えていると指摘した。

 また、中国睡眠研究協会(Chinese Sleep Research Society)常務理事の張斌(Zhang Bin)教授は「新型ウイルスの対策期間中の中国人睡眠白書」を紹介。流行以降、多くの人々は自宅待機の生活が続く中、「睡眠の時間は長いが、睡眠の質は低下した」傾向がみられるという。自宅待機前は9割の人が午後8時~午前0時の間に就寝していたが、自宅待機後は半分以上が午前0時すぎまで起きているという。深夜に読書をするようになったり、睡眠時間を削ってニュースを見たりする人も増えた。そしてほとんどの人が「睡眠の変化が生活に悪影響を与える」と認識しているという。

 専門家は「自分で生活を改善する意識を持つことや運動することが大事。それに照明を調整したり眠りやすいよう室内の雰囲気づくりをしたり、寝具の改善といった工夫をすること」とアドバイスしている。(c)CNS-科技日報/JCM/AFPBB News