【3月27日 Xinhua News】動物界の「建築家」「生きた化石」と呼ばれるビーバーは、生態環境の改善に重要な役割を果たしている。中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)アルタイ地区(Altay)では、地元政府と民間公益団体の保護により、域内に生息するヨーロッパビーバーの中国固有種「蒙新河狸」(学名:Castor fiber birulai)の数が500匹を超えた。

 新疆瞳之初自然保護協会の責任者、初雯雯さんは「コクトカイ県(Fuyun)のウルングル川流域でこのほど、5匹のビーバーが氷の上で食事をしているのを初めて観察できた」と語った。同協会は2018年からアルタイ地区林業局と共同でビーバーの生態観測と保護活動を行っている。

 ビーバーは生態環境の変化に非常に敏感だといわれる。蒙新河狸は中国で一級重点保護野生動物に指定されており、絶滅の危機にひんしたこともある。

 初さんは「蒙新河狸は生態環境を改善することができる。彼らがつくるダムは小さな生息環境を形成し、多くの生物種を取り込み、小さな生態循環をつくり出している。同時に洪水のリスクも抑えることができる」と語る。

 アルタイ地区はここ数年、生態保護に力を入れている。野生動物の巡回保護制度を整備したほか、川辺の林で重点的にフェンスの設置や管理保護、植樹造林を実施したことで、ビーバーの生存環境は大きく改善された。最新の統計によると、域内の蒙新河狸の生息数は162群、510匹となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News