■生と死を分けるもの

 現在世界の新型コロナウイルス感染者は33万人近くに達しており、うち1万4396人が亡くなっている。

 流行は加速しているが、アジアの最貧層の人たちは自らを守るすべがない。

 インドネシアもインドも、スラム街における感染予防に向けた特別な措置は講じていない。

 また、パキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相は、経済的被害が多すぎるため、大規模な都市部封鎖は行わないと表明した。「人々は既に難しい状況に直面しており、都市部を閉鎖した場合、最終的に新型コロナウイルスからは守られるかもしれないが、飢えで死ぬだろう」

 トンドの住民は、政府がマニラを封鎖して以来、仕事がないと話す。お金が底をついたら、仕事を探しに外に出なければならないと語る。

 スラム街の住民は重症化しても費用を懸念して治療をためらうとみられている。

 公衆衛生専門家のギデオン・ラスコ(Gideon Lasco)氏は、「質の高い医療へ迅速にアクセスできるかどうかが、生と死を分ける可能性がある」と指摘している。

 映像はフィリピン・マニラのスラム街、18日撮影。(c)AFP/Joshua Melvin and Ron Lopez