【3月23日 AFP】タイ保健省は22日、同国の新型コロナウイルスの感染者が約30%増加し、600人近くに達したと発表した。タイがこれまで免れてきた大規模な流行への懸念が強まっている。

 保健省は、感染者数が急増したのは主に首都バンコクだとして、バンコクの住民に首都から出てウイルスを各地に拡散させないよう呼び掛けた。

 東南アジアではこれまで世界各国を襲った新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を免れてきたが、この状況が変わる恐れがある。

 バンコクでは現在、ボクシングスタジアムやナイトクラブなどの感染し得る場所に対して厳格な制限措置が課されている。事実上、ショッピングモールや美容院、ゴルフコースやスイミングプールまで、すべての公共の場は閉鎖されている。

 一方で、他の観光地であるパタヤ(Pattaya)やプーケット(Phuket)では、これまで通り変わらずビーチは日光を求める人々でにぎわった。

 バンコクにあるチュラロンコン大学付属病院(King Chulalongkorn Memorial Hospital)の医師の一人は、人々に3週間の自主隔離をさせる戒厳令を出してでも、より厳しい措置が必要だと述べた。

 隣国のベトナムでは、22日夜までに感染者数が113人に上ったことを受け、外国人の入国を全面禁止する措置を取った。(c)AFP