【3月22日 AFP】米国では、車に乗ったまま利用できる映画やファストフード、薬局、銀行などのドライブインやドライブスルーが長年愛されてきた。そして今、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、カトリック教会のざんげもドライブスルーで行われている。

 首都ワシントンから約30キロ離れたメリーランド州の小さな町ブーイ(Bowie)にある聖エドワード王証聖者カトリック教会(St. Edward the Confessor Catholic Church)のスコット・ホルマー(Scott Holmer)神父(40)は、ウイルス流行で教会が閉鎖されたことを受けて車好きの米国で十分に試されてきたこの方法に目を向けた。

 聖職服を身にまとったホルマー神父は、天候が許す限り日曜日を除く毎日、教会の外にある駐車場で木の椅子に腰掛け、身体的な接触をせずにざんげを聞き、祝福する。

 教会の外では、2列に並べられたトラフィックコーンと標識が車を誘導する。運転手は窓を開け、ホルマー神父に自らの罪を告白する。ホルマー神父は神の道に戻るためにいくつか励ましの言葉を掛け、罪の赦(ゆる)しを与える。

 ホルマー神父は韓国でドライブスルーのウイルス検査が行われているのを見てこのアイデアを思い付いた。「教区は感染拡大を封じ込めるためにすべてのミサを禁止した。しかしざんげを聞くことに関してはまだ明確には決まっていない」という。

 ホルマー神父は信徒らと安全な距離を保つよう心掛け、信徒には車から降りないよう求めている。匿名でのざんげを求める人に対しては、神父自身がバンダナで目隠しをする。

 断食とざんげの日である四旬節前の第3金曜日には、すぐに車の長い列ができ、神学生らが交通整備のため臨時に駆り出されたほどだ。ホルマー神父は「他の人のざんげが聞こえないように、車の間隔を空ける必要がある」と説明する。

 ホルマー神父は、自分が新型コロナウイルスに感染したとは思っていないと語った。ドライブスルーでのざんげは、教会が再開するまで続ける予定だ。

 映像は20日撮影。(c)AFP/Cyril JULIEN