【3月22日 CNS】中国ジャイアントパンダ保護研究センター(China Conservation and Research Center for Giant Panda)を16日に取材、新型コロナウイルス感染症の間接的影響がかなり大きいことが分かった。

 影響は主に施設内で飼育されているパンダに与える餌の輸送、繁殖のための移動、他の施設との交流・協力、飼育管理などに及んでいる。

 特に施設内で飼育中のパンダの繁殖に対する影響は大きい。それはパンダの発情期が主に2月から5月の時期に当たっているからである。

 以前、竹に花が咲き枯死し野外のパンダの食物が欠乏したことがあった。また犬ジステンバーウイルス(canine distemper virus)感染によって飼育していたパンダが死亡したこともあった。これら過去の出来事と比べれば、今回の新型コロナウイルス感染による肺炎は、直接パンダの健康を害すまでに至っておらず、パンダへのウイルス感染事例はまだ無い。

 しかし今後感染する可能性は否定できない。現在同センターの各飼育基地では消毒など防御強化の措置が継続されている。

 同センターが管轄する4か所の基地ではジャイアントパンダ合計182頭、レッサーパンダ、ヒマラヤグマ、キンシコウなどジャイアントパンダと共生可能な動物124匹を飼育している。防疫対策強化のため4か所の基地を1月25日から閉園とし、飼育員と獣医師以外の人間がジャイアントパンダに近づくことを厳禁した。同時に、国内の協力関係にあるジャイアントパンダの飼育機関に対し、センターから感染対策期間中の閉園と対策強化を求めた。
 
 感染対策期間中、外出できないパンダを愛するネット利用者に喜んでもらおうと、4か所の基地で暮らしているパンダの日常を24時間実況中継する「クラウドパンダ」を立ち上げ、パンダやその他の希少種の保護に関する知識の普及、最近の中国国内における生物の多様性をふまえた保護の成果を放映している。

 中国のウイルス感染対策の効果が上がるにつれ、四川省(Sichuan)の防疫応急対応レベルが、「突発性公共衛生事件1級」から2級に調整された。同省の防疫区域等級でセンターの4か所の基地は低リスク区域となった。中央と地方政府の政策に従い、センターの各基地は科学的なステップを踏み、開園の準備を積極的に進めている。防疫状況に基づき適当な時期に一部の基地を公開する予定だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News