【3月22日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、インディカー・シリーズの開幕が延期になる中、大会を統括するマーク・マイルズ(Mark Miles)最高経営責任者(CEO)が21日、伝統のインディアナポリス500(Indianapolis 500)は時期を遅らせてでもなんとかして開催したいと話した。

 マイルズCEOは「私に言えるのは、104回目のインディアナポリス500は最優先だということ」「今回の危機の影響を正確に把握するのは不可能だが、確言するということが可能なのであれば、(インディ)500は絶対に開催する」と話した。

 名高いインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(Indianapolis Motor Speedway)のオーバルコースで行われるインディ500は、今年は5月24日に予定されている。マイルズCEOは「現在の目標はコースに執着し、5月に開催可能かを見極めることだ」「無理なら別の日取りを考える。しかしそれは、今後の見通しが明らかになってから決めるべきだ」と話した。

 各国の当局は、新型コロナウイルス感染の爆発的な拡大を防ぐことを期待して、大規模な集会を制限している。そのため世界中の他のスポーツと同様、インディカー・シリーズもシーズンが宙に浮いた状態となっている。

 全17レースのうち、開幕からの4レースはすでに延期が決まっており、現時点では5月9日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで争われるGMRグランプリ(GMR Grand Prix)が開幕戦となる。

 マイルズCEOによれば、延期になったレースのうち、2大会の主催者は別日程での開催を望まない意向を示し、残り2大会の考えも現段階では不明だという。

 CEOは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイの所有者が、モータースポーツチームのオーナーとしても有名なロジャー・ペンスキー(Roger Penske)氏であることを考えれば、大会のダブルヘッダーも不可能ではないと話している。

「レースやスポーツが再びできる状態にいつ戻るのか、はっきりしたことは誰にもわからない」「誰もが不測の事態のために計画を立てている」「何が可能かは、日常が戻る時期次第だ」

 またマイルズCEOは、開幕が延期になり、関係者が各地に散らばっている状況を指摘し、インディカーのドライバーやチームスタッフ、大会スタッフから新型ウイルスの陽性反応が出たという報告は受けていないと明かした。

 関係者が感染した場合は、「レース開始の時期まで、ケースバイケースで対応していく」という。また開始する場合は、無観客での実施は想定していないとも話している。

「不可能とは言えないはずだ」「適切なレースができるまで待つ必要があると思っている。ファンを入れずにただやるだけでも、おそらく2000人のスタッフが必要になるんだ」 (c)AFP