【3月22日 AFP】スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)の元会長、ロレンソ・サンス(Lorenzo Sanz)氏(76)が21日、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のため入院していた病院で亡くなった。

【図解】新型コロナウイルス:感染したらどうなる?

 サンス氏が会長を務めた1995年から2000年にかけて、レアルは欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)で2度優勝している。

 同氏の息子は、「父が今し方亡くなった。こんな最期は、こんな形は彼にふさわしくない」とツイートした。「自分がこれまで見てきた人の中で、最も勇敢で働き者だった。家族とレアル・マドリードが彼の情熱だった」

 元プロバスケットボール選手の息子は3日前に、スペインで1320人以上の命を奪っている新型コロナウイルスの兆候があったため、元会長がマドリード市内の病院に入院したと明かしていた。

 ラモン・メンドーサ(Ramon Mendoza)氏が会長を務めていた1980年代半ばにレアルの理事に就任したサンス氏は、1995年にメンドーサ氏に代わりレアルのトップに就いた。

 ユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)氏が監督を務め、ダヴォル・シュケル(Davor Suker)氏やロベルト・カルロス(Roberto Carlos)氏、クラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)氏、フェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)氏、ラウル・ゴンザレス(Raul Gonzalez)氏らスター選手をそろえたレアルは、1998年のチャンピオンズリーグ決勝でユベントス(Juventus)に勝利し32年ぶり7回目の欧州制覇を達成。その2年後には決勝でバレンシア(Valencia CF)を下し、8度目のビッグイヤー獲得を果たしている。

 しかし同年の会長選挙でサンス氏は敗北。後任のフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)現会長は、その後20年の間にチャンピオンズリーグを5度制覇するなど新たな時代の扉を開いた。

 クラブのバスケットボール選手から新型コロナウイルス感染者が出たため、チームメートとともに隔離状態にある現主将のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)は、サンス氏に賞賛の言葉を贈った。

 ラモスはサンス氏の下で成し遂げた重要なチャンピオンズリーグ制覇に言及し、「レアル・マドリードにとってとても悲しい日となった。ロレンソ・サンスは過去と現在を二つの数でつなげた。7と8だ」とツイート。「自分たちを見つめ直すこの困難な日々にあって、彼の死の悲しみは一層深い。彼の家族と友人に心よりお悔やみ申し上げる。安らかに」 (c)AFP