■感染症に脆弱(ぜいじゃく)な先住民たち

 新型ウイルスは、アマゾンで暮らす先住民の社会において特に懸念されている。先住民族にとって外界との接触はしばしば、異質な病気による大量死を意味するからだ。

 欧州からの最初の植民者たちにさかのぼる、長く痛ましい歴史においては、米大陸で暮らしていた先住民の推定95%が、主に天然痘などの病気によって死亡した。

 アマゾナス州は非常事態宣言を発令し、外部から先住民保護区へ訪問することを一時的に禁止。また全国規模の先住民組織であるブラジル先住民連合(APIB)は、人々が集まるのを避けるため、会議や集会を中止した。

 アマゾン川の別の支流ネグロ川(Rio Negro)沿いに住むバレ(Bare)人の首長、マリア・コルデイロ・バレ(Maria Cordeiro Bare)氏(40)はマナウスで、多くの先住民コミュニティーは新型コロナウイルス感染症に関する限られた情報しかなく、感染症の潜在的な影響を懸念していると説明。

「先住民族にとってはデリケートな状況だ」とし、「新型コロナウイルス感染症であろうと他の病気だろうと、これまでにさらされたことのない病気であれば、われわれの健康や生活を脅かすこととなる」と指摘した。(c)AFP/Vitoria VELEZ