【3月20日 AFP】新型コロナウイルスの中国の流行中心地である武漢(Wuhan)では、感染者の致死率が1.4%となったとの研究結果が19日、医学誌ネイチャー・メディシン(Nature Medicine)に発表された。世界保健機関(WHO)が発表した推定致死率よりもかなり低い値となっている。

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 WHOは今月、新型コロナウイルスへの感染が確認された患者の致死率は3.4%と発表。だがこの致死率をめぐり、検査能力の限界や感染が確認された患者が軽度より重度の症状を示した可能性などから、複数の専門家は実際の致死率は大幅に低い可能性があると示唆していた。

 香港大学(University of Hong Kong)の著名疫学者、ジョゼフ・ウー(Joseph Wu)氏が主導する研究グループは、武漢で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する公式のデータ源8種類を調査。この結果、より正確な推定致死率の算出が可能になったと述べ、COVID-19患者が症状を示した後に死亡する確率は1.4%と結論付けた。

 研究グループは患者の年齢層別の致死率も調査。60歳以上の感染者が症状を示した後に死に至る確率は30~59歳の患者に比べ約5.1倍高く、29歳以下の感染者では0.6倍となった。研究グループによれば、30~60歳の成人が中等度から重度の同感染症を患うリスクは、年齢が1歳上がるごとに約4%高まるという。(c)AFP/Patrick GALEY