【3月20日 AFP】新型コロナウイルス感染拡大の最前線で過重な負担がかかっている医療従事者の健康を守るため、タイの病院では職員の代わりに体温測定を行う「忍者ロボット」が導入されることになった。

 つやのない黒いボディーの忍者ロボットは当初、回復途上の脳卒中患者らを観察する目的で作られたが、世界で9000人近くを死に追いやった新型ウイルスとの闘いのため、急きょ転用が決まった。

 忍者ロボットはすでに首都バンコク市内と近郊の四つの病院で導入されており、医師や看護師が患者とビデオ通話できるようにするなど、感染リスクの軽減に役立っている。

 チュラロンコン大学(Chulalongkorn University)のウィブーン・セーンウィーラパンシリ(Viboon Sangveraphunsiri)教授によると、医者らが忍者ロボットによって「病室の外から中の患者と会話をすることができる」という。

 今後、忍者ロボットは患者に食事や薬を運べるように改良され、最終的には病棟の消毒にも利用できるようになるという。

 ウィブーン氏のエンジニアチームはさらにタイ各地の病院10か所に派遣するため、忍者ロボットの製作を急いでいる。(c)AFP/Pitcha DANGPRASITH and Lillian SUWANRUMPHA