【3月19日 AFP】オーストラリアオリンピック委員会(AOC)のマット・キャロル(Matt Carroll)最高経営責任者(CEO)は19日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が続いているものの、東京五輪に選手団を派遣するつもりだと改めて断言した。一方で、元豪選手団の団長は大会開催は不可能に思えるとの見解を示した。

 国際オリンピック委員会(IOC)は18日、新型コロナウイルスの脅威が増大しているにもかかわらず、東京五輪を予定通り7月24日から行うという意向を明かしている。

 キャロルCEOは「信じられないほど困難なこうした状況の中でも、オーストラリア選手の夢をかなえる」ため、AOCはあらゆる手を尽くしていると明かした。

 全世界をつなぐ電話会議でIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と話し合いを行ったキャロルCEOは、「AOCは世間知らずというわけではない」と続けた。

「五輪開催に関するIOCの基本方針から確信を得ている。関係者全員の健康を守り、ウイルスの封じ込めを支援する」

 一方で、2012年のロンドン五輪で同国選手団の団長を務めたニック・グリーン(Nick Green)氏は、豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)に対し、東京五輪を予定通り行えるのか疑っていると話した。

 五輪のボート競技で金メダルを獲得した実績を持つグリーン氏は、「五輪は予定通り行われるし問題ないと、数週間前は他の人と同じくらい確信を持って言えた」と語った。

「それについてはしっかり自信はあるが、今は自分の考えの中で同じ確信を持てていない。正直に言うと、どうすれば五輪を行えるのか実際のところ分からない」

 東京五輪に向けた多くの予選大会が中止になり、渡航禁止の措置が取られる中、東京五輪で豪選手団の団長を務めるイアン・チェスターマン(Ian Chesterman)氏も「非常に難しい」状況だと認めた。

 チェスターマン団長によれば、各競技の国際連盟は改定された予選手順を来月IOCに提出するという。(c)AFP