【3月19日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は18日、国民に向けたテレビ演説で、新型コロナウイルスの流行でドイツは「第2次世界大戦(World War II)以来」最大の問題に直面しているとし、包括的な感染抑制措置に従うよう呼び掛けた。

 メルケル氏は「事態は深刻だ。真剣に受け止めてもらいたい。ドイツ統一以来、いや、第2次世界大戦以来、わが国の命運がこれほど、われわれの団結にかかっている事態になったことはない」と語った。

 メルケル氏は過去15年の首相在任中、金融危機、2015年の難民危機、そして英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)といった数々の難問に直面してきたものの、毎年恒例の新年のあいさつを除けば、指導者として長い経歴を持つ同氏がテレビで国民に直接演説をしたことはこれまでなかった。

 メルケル氏は「自分がなすべき課題を全国民が本当に理解したならば、われわれはこの課題を成し遂げることができると私は心から信じている」と呼び掛けた。

 ドイツでは数日前から連邦政府と各地方行政府が学校や多くの商店や企業、公共の場を閉鎖。新型ウイルスの拡散を抑えようと必死の取り組みを打ち出していた。

 もっともドイツでは外出禁止などの指示は出されておらず、より厳格な規制を導入したフランス、ベルギー、イタリアやスペインとは対照をなしている。

 社会的接触を避けるようにとのメッセージを人々に届けようと、当局が苦心する中、ドイツ人は春の日差しを楽しみ、社交のための外出を継続。「コロナパーティー」まで開かれていた。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK / Tom BARFIELD