【3月20日 Xinhua News】56歳になるパキスタン出身のサイド・ズルフィガール・フセイン・アッバシ氏は電子体温計を持ち、中国北京市朝陽区(Chaoyang)にある麦子店街道で、住宅地に入る人たちの体温を慎重に確認している。このかいわいは、「大使館地区」として知られている。

 「私は中国に住んで20年以上になる。自分の言語能力を生かして、この地区に住む外国人の役に立ちたいと思っている」と、アッバシ氏は語った。

 2018年末に実施された調査によると、北京市には約14万2000人の外国人が住み、3万7000の国際機関がある。

 現在進行中の新型コロナウイルスとの闘いに際して、多くの外国人居住者が長い間暮らし、仕事をしてきた北京にとどまり、街を守ることを選んだ。

 ボリビア出身のマリア・ルネ・クルスさんは北京市に住んで10年になる。クルスさんは病院のスタッフとして、また中国語、スペイン語、英語を話せる人材として自宅に近い順義区(Shunyi)のボランティアに登録。人々の体温を測定し、新型コロナウイルスに関する医学的な知識を教え、ウイルス予防習慣に関する多言語ポスターを作成した。

 「第二の故郷である北京が感染症の流行を克服し、できるだけ早く正常な状態に戻るように、少しでも助けになりたい」と、クルスさんは語った。

 北京市政府は16日、新型コロナウイルスの拡散を阻止する取り組みの一環として、北京在住の外国人を市の地域保健管理システムに組みこむことを発表した。

 同市政府外事弁公室によれば、市政府のホットライン12345、緊急ホットライン120、および空港のホットラインはすべて、8カ国語で利用可能になっており、北京市にいる外国人に感染症流行時に必要な支援を提供している。

 同市政府外事弁公室の公式ウェブサイトでは、首都での新型コロナウイルスによる肺炎の事例に関する毎日の更新情報を8カ国語で提供し始めた。チャットアプリ微信(ウィーチャット、WeChat)の公式アカウント「北京外事」でも、新型肺炎に関する最新の政策と情報を提供している。(c)Xinhua News/AFPBB News