【3月18日 AFP】イラクのバルハム・サレハ(Barham Salih)大統領は17日、親欧米派議員で元ナジャフ(Najaf)市長のアドナン・ズルフィ(Adnan Zurfi)氏(54)を新たな首相候補に指名した。国内では軍事的混乱や抗議デモ、新型コロナウイルスの流行などの問題が山積している。

 ズルフィ氏の指名と同じタイミングで、イラクでは2回にわたるロケット弾攻撃が発生。17日の明け方には米国主導の有志連合と北大西洋条約機構(NATO)の部隊が駐留する基地にロケット弾が撃ち込まれ、同日夜にもイラク政府機関や各国大使館がある首都バグダッドの「グリーンゾーン(Green Zone)」でロケット弾攻撃があった。

 ズルフィ氏は17日夜、組閣から1年以内に選挙を実施すると宣言。イラクでは政府の汚職や無能に対する抗議デモが数か月間続いており、デモ参加者の要望に対応すると明言した。

 また、反政府デモで昨年辞任を表明したアデル・アブドルマハディ(Adel Abdel Mahdi)暫定首相と面会した。

 ズルフィ氏は30日以内に組閣し、議会で信任投票にかけられる。一部のイスラム教シーア派(Shiite)政党や、クルド人およびスンニ派(Sunni)の派閥から支持を得る可能性はあるが、議会で2番目に多い議席数を占める征服連合(Fatah)は早くもズルフィ氏を拒否している。

 ズルフィ氏の前に首相候補に指名されていたムハンマド・アラウィ(Mohammad Allawi)元通信相は、今月2日までに組閣できず、次期首相を辞退。サレハ大統領は17日までに新たな首相候補を提案することになっていた。(c)AFP/Sarah Benhaida