【3月18日 AFP】自転車ロードレースのワンデークラシック、パリ~ルーベ(Paris-Roubaix 2020)を主催するアモリ・スポル・オルガニザシオン(ASO)は17日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴い、今年の大会を延期すると発表した。しかし、ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)の日程については変更されていない。

「北の地獄(Hell of the North)」と呼ばれる格式高いレースで、4月中旬に古い石畳コースで行われるパリ~ルーベは、フランスでツール同様高い人気を博している。

 ツールとパリ~ルーベを主催するASOは、ベルギーで行われる二つの主要レースを延期することも明かしている。同国ではアルデンヌ(Ardennes)の森にある狭い曲線コースを走るリエージュ~バストーニュ~リエージュ(Liege-Bastogne-Liege 2020)が4月26日に、フレッシュ・ワロンヌ(La Fleche Wallonne 2020)が同22日に予定されていたが、どちらも新型コロナウイルスの影響を受けることになった。

 さらにこの日は、4月5日に行われるはずだったロンド・ファン・フラーンデレン(Ronde van Vlaanderen 2020)の延期も決定され、ベルギーのファンにとってはつらい知らせとなった。同レースが中止になったのは、第1次世界大戦(World War I)中のみだった。

 ASO主催の他のレースでは、英国で4月30日から5月3日にかけて男女の両部門が開催されるはずだったツール・ド・ヨークシャー(Tour de Yorkshire 2020)が中止となっている。

 パリ~ルーベは1896年から行われているが、これまで中止になったのは戦時中しかない。

 自転車ロードレース界が新型コロナウイルスの打撃を受け続ける中、ASOは強行的にパリ~ニース(Paris-Nice 2020)を開催し、同大会は予定よりも1日早い14日に幕を閉じた。

 ASOの代表を務めるクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏は今週、ツール・ド・フランスが予定通り6月27日から7月19日に開催されることを願っていると暗に示した。

 プリュドム氏はAFPの取材に対し「何よりもこの国のために、今の状況がそのときまでに解決されていることを願う」とコメントした。

 フランスでは17日に外出禁止令が出されたが、ASOは楽観的に様子を見守る態度を取り続けている。

 プリュドム氏は「ツール・ド・フランスの開幕までまだ100日以上ある。一度活動が再開すれば、レースを切望する気持ちは計り知れないほど大きなものになるだろう」と続けた。

 13日には、ハンガリー政府が首都ブダペスト周辺での開幕3ステージを行えないと発表したことを受け、5月9日から同31日に予定されていたジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2020)の延期が決まっていた。(c)AFP