【3月18日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領(64)は17日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)をめぐる一部の州の予防措置を非難し、「ヒステリー」だと発言した。

 ブラジルでは同日、新型ウイルスによる国内初の死者が確認され、サンパウロ(Sao Paulo)州とリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州で非常事態が宣言された。

 パンデミックをめぐり世界中で警戒感が強まる中、極右のボルソナロ氏はそれを無視。外出禁止令のような封じ込め措置について、経済を悪化させると批判している。

 ボルソナロ氏はラジオ・トゥピ(Radio Tupi)とのインタビューで、「人々はまるで世界の終わりのように振る舞っている」「経済はうまく回っているのに、何人かの州知事はそれを台無しにするような措置を取っている。まるでここに人がいないかのようだ。必要なのは、こうしたヒステリーを抑えることだ」と述べた。

 ブラジルでは政府高官数人が新型コロナウイルスの検査で陽性の結果が出たため、接触したボルソナロ氏も保健省から2週間の自宅待機を要請されていた。だがボルソナロ氏は15日に集会で支持者らと握手や自撮りをし、批判を浴びている。

 ボルソナロ氏は先週、新型ウイルスの検査で陰性だったことを自らのフェイスブック(Facebook)上で節度を欠いたポーズを取った写真とともに発表したが、保健省の規定で結果を確定するための追加検査を17日に受け、結果待ちの間は隔離される見通しだ。

 サンパウロ州の有力議員ジャナイーナ・パスコアル(Janaina Paschoal)氏は、保健衛生当局に従わずに15日の支持者集会に出席したという判断は「公衆衛生に対する罪」に値すると糾弾し、ボルソナロ氏の辞任を要求している。

 また有力紙エスタド・ジ・サンパウロ(O Estado de Sao Paulo)も、「大統領は新型コロナウイルス流行を真剣に受け止めていないようだ」と批判した。

 しかしボルソナロ氏は全く動じる様子なく、再び衛生専門家らの勧告に反し、今月21日の自身の誕生日に「ささやかなパーティー」を開くとラジオのインタビューで答え「人生は続いていくものだ」と述べた。(c)AFP/Louis GENOT