【3月18日 AFP】(更新、写真追加)世界保健機関(WHO)は17日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状がある人は抗炎症薬「イブプロフェン」の服用を避けるよう勧めた。これに先立ち、フランスのオリビエ・ベラン(Olivier Veran)保健相はツイッター(Twitter)で、イブプロフェンは新型コロナウイルス感染症を悪化させ得ると指摘し、発熱した場合は解熱鎮痛薬パラセタモールの服用を勧めていた。

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 ベラン保健相の指摘は、イブプロフェンなどの抗炎症薬はある酵素を活性化し、これが新型コロナウイルスの感染を促進して症状を悪化させるという、医学誌ランセット(The Lancet)に最近掲載された仮説を踏まえたもの。

 この仮説についてスイス・ジュネーブで報道陣から質問されたWHOのクリスチャン・リンドマイアー(Christian Lindmeier)報道官は、WHOの専門家らが検討中であり後日指針を出すが、「当面は、自己投薬するならイブプロフェンではなくパラセタモール(アセトアミノフェン)の服用を勧める。これは重要なことだ」と述べた。

 さらに、イブプロフェンが「医療の専門家に処方されたのであれば、もちろんそれは彼らの判断だ」と付け加えた。

 ベラン保健相は既に抗炎症薬を処方されている患者について、主治医から指示を受けるべきだと強調した。

 パラセタモールの過剰摂取は、肝臓に損傷を与える恐れがあるので、推奨用量を厳守して服用しなければならない。

 フランス当局は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)前から、ヌロフェン(Nurofen)やアドビル(Advil)など、さまざまな商品名で販売されているイブプロフェンをはじめとする抗炎症薬の服用に絡む「感染合併症」に対して警鐘を鳴らしていた。

 ヌロフェンを製造する英レキットベンキーザー(Reckitt Benckiser)の広報は、「現段階では、市販のイブプロフェンの服用と新型コロナウイルス感染症の悪化を結び付ける科学的証拠が示されたとは思わない」と述べた。(c)AFP