【3月18日 AFP】中国は18日、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)、ワシントン・ポスト(Washington Post)、ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の米国人の記者らに対し、事実上の国外退去を命じた。近年の中国共産党政権による外国メディアに対する処分としては最も厳しいものとなる。

 中国外務省は声明で、今回の措置は、米国領土で中国国営メディアへの勤務を認められる中国人の数を減らすとの米政府の決定に対する報復措置と説明した。

 外務省は18日付で、年内に失効する記者証を所持する3紙の記者らに対し、4日以内に外務省に届け出を済ませ10日以内に記者証を返却しなければならないと明言。声明で、記者らは「特別行政区である香港、マカオ(Macau)を含む中華人民共和国で、引き続きジャーナリストとして働くことは認められない」とした。

 中国は先月にも、WSJの論説の見出しが人種差別的であるとして、同紙の米国人記者2人とオーストラリア人記者1人に国外退去を命じていた。これに先立ち米国は、米で事業を行う中国国営メディアの分類を変更し、外交使節団として扱うことを決定。WSJの記者らに対する国外退去命令も、米国のこの動きに対する報復措置との見方が出ていた。(c)AFP