【3月18日 AFP】(更新)フランステニス連盟(FFT)は17日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、全仏オープンテニス(French Open 2020)を延期し、9月20日~10月4日に開催すると発表した。

 四大大会(グランドスラム)の一つである全仏オープンは5月24日~6月7日の開催が予定されていたが、FFTは「現在の隔離措置により、準備を継続することが不可能となり、当初予定されていた日程で大会を開催することができなくなった」と説明した。

「新型ウイルスによる公衆衛生の危機は、全世界に影響している。大会運営に携わる全員の健康と安全のため、2020年大会は9月20日~10月4日に延期することを決めた」「責任ある行動を取り、スタッフとサービス提供者、供給者の健康を守るため、大会を維持しつつ、ウイルスとの闘いに加わることのできる唯一の選択肢を採った」

 このため今年の全仏オープンは、全米オープン(US Open Tennis Championships 2020)の開催日程に変更がない場合、そのわずか1週間後に行われる。

 クレーコート大会がハードコートシーズンのまっただ中に組み込まれるため、選手は時間の限られた中で球足の遅いクレーへの切り替えを強いられる。またロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が出場を明言している欧州チームとワールドチームの対抗戦、レーバー・カップ(Laver Cup 2020)など、日程が重複する大会も多い。

 全仏延期の決定には選手側も困惑しており、グランドスラム2勝を挙げている大坂なおみ(Naomi Osaka)は「すみません???」とツイッター(Twitter)にフランス語で投稿した。

 女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)も決定に驚き、ソラナ・シルステア(Sorana Cirstea、ルーマニア)は「何? またツイッターで発表?」と伝え方を問題視した。

 ATP選手協議会(ATP Player Council)の一員でもあるバセック・ポスピシル(Vasek Pospisil、カナダ)は、延期を強く批判し、「正気じゃない。ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)のようなメジャー大会を全米オープンの1週間後に移動するなんて。選手やATPにはなんの連絡もなかった。僕らには何も言う権利はないのか」とつぶやいている。(c)AFP