【3月19日 Xinhua News】中国で新型コロナウイルスの影響により寸断されていた交通網がほぼ秩序を取り戻しつつある。14日時点で、閉鎖されていた1119カ所の高速道路の出入り口のうち、1117カ所が再び通行可能となった。

 合計で549本の国道、省道、県道、郷村道の通行止めが解除され、高速道路に設置されていた1万2028カ所の検疫所のうち、1万1198カ所が撤去された。

 先月21日に開催された全国レベルの電話会議では、地域ごとに分けた制限のレベルに従いながら混雑を解消し、交通と輸送の秩序の回復に取り組んでいくよう各地に求められた。その中で、感染のリスクが低い地域は封鎖を完全に解除し、普段の状態に戻すべきだとされていた。

 交通運輸部の路網観測・応急処置中心局が集めたモニタリング情報によると、国道網はすでにおおむね通常通り稼働していることが分かった。

 今月1日の時点で、28省で省をまたいだ人の出入りが再び始まり、うち19省が省をまたぐ交通機関やチャーターバスを再開させている。計126の地級市、192の県級市が地上を走る公共交通機関を再開しており、うち41市は都市鉄道を運行。北京市や上海市、広州市(Guangzhou)、深圳市(Shenzhen)など36市が通常運行に戻っている。

 貨物車両と貨物船についても、中国共産党中央委員会と国務院が、感染が深刻でない地域では輸送制限を解除し、原材料と製品の輸送を実現すべきだと言及している。交通運輸部も先月15日と17日から感染の予防・抑止期間が終わるまでは、有料道路をすべて無料にするとはっきり通達した。

 政府は「点と点」を結ぶ交通サービスの利用を促進することで、別の省へ働きに出ている労働者が雇用の多い地域や会社に戻れるように整備し、安全にきちんと仕事に復帰できるようにしている。交通運輸部の蔡団結(Cai Tuanjie)氏は、四川省(Sichuan)や浙江省(Zhejiang)、山東省(Shandong)、福建省(Fujian)など合計27の省が、「点と点」を結ぶ1回限りの直通チャーターサービスを実施したと話している。

 公式のデータによれば、仕事に復帰した出稼ぎ労働者の数は7800万人に達し、これは春節(旧正月、Lunar New Year)で帰省していた出稼ぎ労働者のおよそ6割にあたるという。

 江蘇省(Jiangsu)と浙江省の省境にある新沂市(Xinyi)東部のバスの停留所では、赤地に「中鉄建工集団員工職場復帰運輸車」と書かれた座席50席のバスが出発するところだった。

 運転手の話では、このところは山東省郯城県(Tancheng)で労働者を乗せ、江蘇省塩城市(Yancheng)へ送り届ける日々が続いている。現地の会社ができる限り早く建設作業を再開できるようにするためだそうだ。(c)Xinhua News/AFPBB News