【3月17日 AFP】ジンバブエのオッパ・ムチングリ(Oppah Muchinguri)国防・退役軍人相は14日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)について、人権侵害を理由に同国政府高官らに制裁を科している米国と欧州への「神罰」だと述べた。

 ムチングリ氏は北部の町チノイ(Chinhoyi)で行われた集会で、「(新型)コロナウイルスは、わが国に制裁を科した国々に神が下した罰だ」「彼らは今、家に閉じこもっている。かつてのわが国がそうであったように、彼らの経済が悲鳴を上げている」と述べた。

 さらに、新型ウイルスがドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に、「自身が神ではないこと」を教えてくれるだろうとも述べた上で、「彼らは(新型)コロナウイルスの影響を受け、われわれの痛みを理解せねばならない」と続けた。

 ジンバブエではまだ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が一例も確認されていない。

 米国と欧州連合(EU)が初めてジンバブエに制裁を科したのは、故ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)前大統領が独裁政治を敷いていた時代のことだ。ムガベ氏は2017年1月、国軍による事実上のクーデターで失脚した。 制裁措置は、ムガベ氏とその側近の渡航禁止など、政府高官らと政府機関に狙いを定めたものだった。

 エマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領は2017年の就任以来、欧米諸国との関係修復に努めてきた。しかし、米国は今月、2018年の選挙の結果発表の遅れをめぐる抗議デモの武力鎮圧を指揮したとして、治安当局者2人を制裁対象に加えた。この武力鎮圧では、6人が死亡した。(c)AFP