【3月17日 AFP】米小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は16日、新型コロナウイルスの流行による通販需要の拡大に伴い労働力を確保するため、時給の引き上げと10万人の新規採用計画を発表した。

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 米シアトル(Seattle)に拠点を置くアマゾンは3億5000万ドル(約375億円)超を投入し、北米と欧州の物流拠点や運輸部門、小売店舗の従業員らの時給を引き上げると発表した。

 同社のデーブ・クラーク(Dave Clark)上級副社長はブログで、「人同士の接触を減らす隔離措置などが導入される中、必需品を自宅まで届けるサービスは、特に高齢者や健康問題がある人々にとって非常に重要だ」と述べ、「需要は急増しており、この時期としては前例がないほど人員を必要としている」と説明した。

 またクラーク氏によると、アマゾンは米国内で新たに正規・非正規の従業員計10万人を採用するという。

 同氏は「新型コロナウイルス流行の危機を受けて、サービス、飲食、旅行業界などでは多くの人々が職を失ったり、一時解雇されたりして経済的な打撃を受けている」「状況が改善し、元の雇用主が呼び戻すことができるようになるまで、そうした人々をわが社のチームに喜んで受け入れるということを知ってもらいたい」と述べた。

 米国でのアマゾン従業員の時給は現在15ドル(約1600円)超で、4月中はこれに2ドル(約210円)上乗せされる。また英国では時給を2ポンド(約260円)、欧州では2ユーロ(約240円)昇給するという。

 さらに職場では健康管理措置として、従業員同士が距離を置いて働ける環境を整え、また清掃を徹底するとしている。(c)AFP