【3月15日 Xinhua News】中国がイタリアに派遣した新型コロナウイルス感染症対策の医療専門家チームが12日、ローマに到着し、翌朝から早速活動を開始した。

 専門家チームは13日午前、イタリア赤十字社と医学専門家を交えた話し合いで、同国における新型コロナウイルス感染状況の現状を理解した。

 同日正午、中国の専門家チームと李軍華(Li Junhua)駐イタリア中国大使はイタリアのルイジ・ディマイオ(Luigi Di Maio)外相と共にローマのラツィオ州赤十字社本部で開かれた記者会見に出席し、地元記者の質問に答えた。

 イタリアメディアが中国の専門家に最も多く質問したのは、中国がどのように感染予防・抑制と治療を遂行したのか、また、中国の専門家チームがイタリアにおける感染の急速な拡大と高い死亡率などの状況をどのように見ているかという点だった。

 記者会見はソーシャルメディア上に中国への「感謝」が広がるきっかけとなった。李軍華大使は中国が感染拡大に直面していた時にイタリア政府が行った支援を忘れないとした上で、中国・イタリア両国は互いに助け合って困難を乗り切っていくと述べた。

 イタリアでは、多くのインターネットユーザーがソーシャルメディアで感謝をつづっている。

「兄弟の友情に感謝する。中国は永遠の友人だ」というメッセージや、自国の感染状況がまだ完全に苦境を脱していないにもかかわらず、他国の支援に立ち上がった中国の勇敢さをたたえ、中国とイタリアの国民は一つの家族だとする書き込みが見られた。

 感染状況が深刻なイタリア北部地域の住民は、全ての親戚や友人を代表し、中国の医師が来てくれたことに感謝の言葉を寄せた。

 李大使は、かつてイタリアが中国を支援した際に起きた二つの感動的な出来事に言及した。

 イタリア政府は1988年、四川省(Sichuan)の救急センター建設を支援した。また、2008年に同省汶川県(Wenchuan)を震源とする四川大地震が発生した後、直ちに救急専門家14人を重度被災地区に派遣し、負傷者900人以上を支援して危険な状態から救い、イタリアと四川省は深く厚い友情で結ばれた。

 今回の中国の専門家チームのメンバー9人のうち、5人は四川省から派遣された。そのうちの1人、四川省疾病予防控制センター微生物検験所の元副所長、童文彬(Dong Wenbin)氏は、感染症に国境はないとした上で、自身にはウイルス検査について豊富な経験があり、(イタリアで)必ず力を発揮できると語った。

 専門家チームのメンバーで中国紅十字会(赤十字会)副会長の孫碩鵬(Sun Shuopeng)氏は初日の活動終了後、イタリア政府と国民は感染予防・抑制を非常に重視しており、人々の意識も高いことが現段階の感染対策に有利だと述べ、イタリアは早期にウイルスに打ち勝てると期待を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News