【3月15日 AFP】欧州最悪の新型コロナウイルス流行に見舞われているイタリアでは、政府が9日に封鎖措置を全土に拡大したことで経済活動は大幅に縮小し、国民はどうしても外出する必要がある場合を除き家にいるよう求められている。

 そうした中、社会的な孤立感を和らげるため、各地で市民が自宅の窓辺に出て一斉に歌う様子を撮影した動画がネット上で人気を呼んでいる。

 中部トスカーナ(Tuscany)州シエナ(Siena)の住民たちが窓から地元の民謡「Canto della Verbena」を合唱している動画は、ツイッター(Twitter)で60万回以上視聴された。別の動画では、北部トリノ(Turin)とみられるアパートの住人たちがそれぞれの自宅のベランダで同時にスペインのダンスポップ「恋のマカレナ(Macarena)」を踊る様子が捉えられている。

 13日夜には、ローマ市内のいくつかの地区でも、住宅の窓から国歌をはじめとするさまざまな音楽や歌が聞こえてきた。

 メッセージアプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」には、金曜日には国家を歌うなど、決まった曜日にみんなで決まった歌を歌おうと呼び掛けるメッセージが流れた。

 これ以外にもイタリアのソーシャルメディアで呼び掛けられている運動には、自宅の外に「andra tutto bene(何とかなるさ)」というメッセージをみんなで掲げようというものもある。このメッセージには虹の絵も描かれるが、その多くは、休校になった子どもたちが自宅で描いたものだ。

 映像は13日、ローマ・トラステベレ(Trastevere)地区で撮影。(c)AFP