【3月15日 AFP】英紙タイムズ(Times)は、イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・クラーク(Greg Clarke)会長が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、今季の全日程を消化できないと考えているとリーグ側に話したと報じた。

 13日にプレミアリーグは緊急会議を開き、プレミアリーグに加え2部から4部にあたるイングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)や女子スーパーリーグなどの中断を決定。「4月4日の再開を見込んで全会一致でリーグの一時中断を採決した。再開はその時点での医療上の助言と状況に従う」とコメントを発表した。

 タイムズによると、この会議でクラーク会長は、シーズン完了が可能だとは思えないと発言したという。

 英国ではコロナウイルスのピークが何週間も続くとは考えられていないが、4月上旬のプレミアリーグ再開は疑問視されており、同紙は、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton & Hove Albion FC)のポール・バーバー(Paul Barber)最高経営責任者(CEO)が中断期間の短さに疑問を呈したと伝えている。

 リーグ中断の決定は、アーセナル(Arsenal)のミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督とチェルシー(Chelsea)のカラム・ハドソン・オドイ(Callum Hudson-Odoi)が、検査で新型コロナウイルス陽性と判定されたことを受けて下された。

 残り9試合で2位に25ポイント差をつけ、30年ぶりのリーグ制覇にまい進するリバプール(Liverpool FC)は、16日に予定されていたエバートン(Everton)戦で優勝を決める可能性もあったが、ユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は「サッカーとより広い社会の利益のどちらかを選択するのであれば、答えは決まっている。考えるまでもない」 と話し、リーグ中断を支持している。

 また、降格圏内から二つ上の16位につけているウェストハム(West Ham)のカレン・ブレイディ(Karren Brady)副会長は、シーズンが完了できないのであれば公平な解決策はただ一つで、それは今季の「無効」を宣言することだと考えている。

 ブレイディ副会長は英大衆紙サン(Sun)に対し、「試合がフルで行われないのであれば、どこが降格し、どこが昇格するなんて誰が分かるだろうか?」「30年ぶりのタイトルが奪われるかもしれないリバプールにとっては大打撃だ」とコメントした。(c)AFP/John WEAVER