【3月15日 Xinhua News】ヨモギの葉で作ったもぐさの束を燃やし、体の表面から数ミリ上をなでるように当てると、患者はほどなく体内から発する熱ともぐさの熱の「呼応」を体感する。中国・江西省(Jiangxi)では新型コロナウイルスによる肺炎患者の治療に、この「神秘的な」熱敏灸療法を取り入れている。

 新型肺炎の発生以来、同省では一貫して中国医学と西洋医学を同様に重視しており、予防・治療活動において整備された中国医学と西洋医学の協同メカニズムを打ち立てた。江西中医薬大学付属病院の熱敏灸治療チームは10日までに、新型肺炎患者42人に対し、延べ272回の熱敏灸治療を実施している。

 灸療法には、芳香で感染症を防ぎ、免疫力を高める効果がある。湿邪(体外の湿気による心身の不調)を取り除くことが熱敏灸治療の特長の一つで、患者自身の抵抗力を引き出すことにより新型肺炎の治療に独自の効果をもたらしている。

 熱敏灸の開発者で江西中医薬大学付属病院の陳日新副院長は「熱敏灸治療チームと患者の反響によれば、治療後には気持ちがすっきりし、息苦しさやおなかの張りなどの症状も改善した。熱敏灸は新型肺炎の治療に適しており、症状の緩和と不快感の軽減につながることが明らかとなった」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News