【3月16日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相(48)の一家は、ソフィー(Sophie Gregoire Trudeau)夫人(44)が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したことで、隔離生活に入っている。トルドー氏は13日、子どもたちが「レゴ(Lego)」ブロックで遊んでおり、夫人は電話にかかりきりなど、隔離生活の一端を披露。さらに、不安感が漂う同国の国民に対し、政治のかじ取りを続けていくと改めて言明した。

 今月12日の夜、トルドー氏とソフィー夫人、それに6歳から12歳の子どもたち3人が、国会議事堂から数キロメートル離れた住宅で14日間隔離されると発表された。

 トルドー氏は翌13日、小さなれんが造りのコテージ前で一人たたずみ、報道陣とは数メートルの距離を置き、ソフィー夫人が新型ウイルス検査で陽性反応を示して以降初めて公の場で会見。

 首都オタワの首相公邸前で行われた記者会見で「はっきりさせておきたい。私に症状はまったく現れていない。気分も良い。テクノロジーのおかげで家から仕事ができるようになっている」と明言した。

「在宅政務」についてトルドー氏は、「不便で、いささかいらいらさせられる」と語りつつ、「結局われわれは皆、社会的な存在だ。でも、これをやらなければならない」と話した。

 ソフィー夫人は、英ロンドンでの講演活動を終えて空路で帰国した後の11日夜、微熱を含めインフルエンザに似た症状を感じ始めた。

 トルドー氏は、「ソフィーの症状は軽度のままだ」とし、「私たちは同じ診断を受けた国中の家族すべてに思いをはせている。だが私たちはしっかりとした状態にある」と述べた。

 自宅で仕事をこなすものの、トルドー氏は多忙なスケジュールが続いた。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領やドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領、ジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)伊首相、カナダの州や準州の各首長らへの電話だ。

 さらに閣僚や当局者との連絡を取り続けており、13日にはウイルス感染拡大と闘うための一連の措置と予算を発表した。

「昨日ときょう、両日ともに非常に忙しかった。カナダ国民の安全を確保し続けるためになすべき重大な仕事、引き続き自宅から遠隔で仕事を続ける」と話した。

 また、妻から首相へとウイルスがうつった場合には、緊急プランがあるのかとの記者からの質問に対しては、「閣僚が病気の場合にも、さらには首相が病気になった場合にも、緊急プランいつも必ずある」と答えている。

 別の記者からは、この状況を首相と家族がどのように対処しているかを尋ねられると、トルドー氏は「子どもたちは朝の大半、レゴで遊び、妻は友人や家族に電話をしていた」「私はマクロン大統領、それに閣僚や官僚らと電話で話していた」と述べた。

 子どもたちについてはどうか、健康状態について家族の誰かが心配しているかとの質問には、「子どもたちとは、今起きていることについて、どうやって心配し過ぎないようにし、ほんの少しだけ心配すべきかついて、明らかにとてもいい話し合いができている。それが理由で私たちと今一緒に家にいるのだから」と語った。(c)AFP/Eric THOMAS, Michel COMTE