【3月18日 Xinhua News】中国の山西省(Shanxi)考古研究所はこのほど、周王朝の諸侯国、晋国(紀元前11世紀~紀元前4世紀)末期の高位者が埋葬された大型墓の発掘成果を発表した。考古学者は、同墓がこれまで同省で発掘された最大規模の東周時代の墓だと説明した上で、晋国末期の君主の夫人の墓との見方を示した。

 今回発掘した墓は、同省運城市(Yuncheng)聞喜県(Wenxi)の全国重点文物保護単位「上郭城址・邱家庄墓群」の邱家庄墓地にある。同研究所は2018年8月から19年6月に考古学調査を実施し、少なくとも5組の大型墓を確認した。

 同研究所の侯馬作業基地のスタッフ、陳海波(Chen Haibo)氏によると、墓は頂部の空間(墓口)が大きく、底部は小さくなっている。地上から底部までの距離は約18.8メートルで墓道はない。墓口の大きさは南北14.3メートルで東西が13.5メートル。墓の上部には土を突き固めた版築(はんちく)の基礎と板瓦と筒瓦を組み合わせた排水機能を持つ側面の覆いがある。基礎は南北26.6メートル、東西21.6メートルとなっている。

 陳氏は「墓の上にはもともと建物があり、基礎の側面に設けられた覆いは、屋根から落ちた雨水が基礎を侵食するのを防いでいた」と語る。

 同研究所の田建文(Tian Jianwen)研究員は、墓の形状や出土品から見て戦国時代初期のものだと指摘。3基の墓が1組になり中央が大きく両脇が小さいという特徴から、晋国末期の君主の夫人の墓だと推測した。

 田氏は、上郭城址・邱家庄墓群が東周時代の晋国の宗廟(一族の祖先を祭る施設)だったと説明。これまでの調査で見つかった邱家庄墓群の5組の大型墓は全て晋国の君主やその夫人の墓である可能性があり、同国の文化や歴史を研究する上で非常に重要な意義を持つと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News