【3月14日 AFP】陸上女子中距離のキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)が13日、200メートルでの東京五輪出場を目指すと明かした。

【関連記事】セメンヤが久々の競技会出場、「私はここにとどまる」と陸上界にアピール

 2012年ロンドン五輪と2016年リオデジャネイロ五輪で800メートルの金メダルに輝いた29歳のセメンヤは、ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)が定めたテストステロン(testosterone)値に関する規則を断固として拒否していることから、同種目で五輪連覇を目指すことが禁じられている。

 セメンヤのように、いわゆる「高アンドロゲン」もしくは「体の性のさまざまな発達状態(性分化疾患、DSD)」の女子アスリートは、テストステロン値を下げる治療を受けなければ、400メートルから1マイル(約1600メートル)の距離の種目に参加できない。

 2009年、2011年、2017年の世界選手権(IAAF World Championships)でも800メートルを制しているセメンヤが、200メートルで東京五輪の出場権を得るためには、22秒80のタイムが最低条件となっている。そしてこの日、母国プレトリアで開催された大会の同種目決勝で、同選手は自己ベストの23秒49を記録して優勝した。

 セメンヤは自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに、「私の夢はずっと前から、そしてこれからも最高レベルの競技で戦うこと」「だから、自分の目標と夢を追求するため、種目を変えて200メートルで戦うことを決意した」と投稿した。

「この決断は容易なものではなかったけれど、挑戦することを楽しみにしている。これから練習に励み、東京五輪の出場権を獲得して南アフリカのために自分の能力を最大限に発揮できるよう、全力を尽くしていく」

 これまで長距離では目覚ましいタイムが出せていないことから、セメンヤは東京五輪では200メートルを目指すことになった。同種目で母国の五輪代表チームに入るためには、タイムをあと0秒69縮めなければならない。(c)AFP